中村です。
人生山あり谷ありです。
平穏な日常を夢見ていますが、
必ず良いこともあれば、悪いことも起きるものです。
ビジネスにおいても同じことが言えます。
業績が良いとき、悪いとき
チームの状態の浮き沈みもあります。
様々な影響があって私たちの人生は
外部からの力によって左右されることになるのです。
できればそういう外部からの圧力とか
自分ではどうしようもないものに
人生を左右されて生きていたくはないのですけれど、
なかなか難しいわけです。
人間の悩みの9割は人間関係だと、心理学者のアドラーは言います。
多くの人がそれを聞いて納得するのではないでしょうか。
いや、私の悩みはお金だ、仕事だと
言う人もいるかもしれませんが
根本原因は人間関係からなる悩みがほとんどだと
解釈できると思うのです。
アドラーに関連した本を読んでいると
だいたいは、物事の基準を他人に求めるな、と書いてあります。
例えば自分の仕事の評価基準を人事や上司を基準に考えたり、
恋愛において、恋人に好かれたいがために
パートナーの好みの自分を演じてみたり。
自分のことを認めてもらおうとして
相手の基準に合わせようとすることで、
他人からの評価をコントロールしようとしたりします。
でも、それは悩みの種にしかならないわけです。
仕事でのメールの返事が遅いから、自分は無視されてるんじゃないかとか
LINEの既読がつかないから嫌われてるんじゃないかとか
本来、自分ではコントロールできないことを
理想通りに事を運ばせようとするから悩むわけです。
「他人に期待する」というと良いことのように感じますが、
他人は自分が思うようには動いてくれないことがほとんどです。
それこそ9割ぐらいは理想通りには動かないことがほとんどではないでしょうか。
私も人間関係で悩んでいた時期があります。
生まれは関東なのですが、幼稚園に入園するタイミングで
父の地元の九州へ引っ越したということもあり、
幼稚園の年少の頃は友達が作れず、早く家に帰りたくて
敷地の隅っこのところに隠れて泣いたりしていました。
そこにひとりの男の子が現れ
「友達になろうよ」と声をかけてくれました。
漫画みたいな話ですが、ありがたいことに本当の話で
それからは彼と遊ぶのに夢中になりました。
ただ、残念なことに住んでいる地域が離れていたこともあり
別々の小学校に通うことになります。
また小学校ではひとりぼっちになってしまうのですが、
その頃には私も他人と話すことが苦手ではなくなっていて
すぐに新しい友達を見つけることになります。
ですが何かの陰謀かのごとく
友達になった子が通っていた小学校から
別の小学校に転校するという事件が頻発します。
今となっては地元にも親友と呼べる人間がたくさんいるのですが。
当時の心境としては、本当に自分を理解してくれる友達というのはおらず、
中学校3年になるまで孤立している感覚がありました。
そういう意味でもスポーツは私の助けになってくれました。
団体競技であっても個人競技であっても
自分のパフォーマンスを伸ばすことに集中して
結果を出せればいろんな人たちと交流があったので、
孤独感に悩んだことはありませんでした。
しかし、周りの人たちは親友と呼べる友達がいて
毎日楽しそうに暮らしているのを見ていると、
羨ましく思えるし、自分に欠落しているものがあるのではないか
と、考えるようになります。
私は理解者を求めていたわけです。
自分のことを理解してくれるし、相手の言ってることを自分は理解できる
そういう関係性を周りの人間に求めていました。
自分が他人を理解することが難しいのに
他人にそれを求めていたのです。
もちろん私が理想としていた理解者は現れませんでした。
私は九州の地元を、自分の居場所ではないと考えていました。
中学3年のときにひとりの友達に出会います。
優しくて個性的な人物だったので、
私も彼に魅力を感じていましたが、
それ以上に人生を変えた出会いがあって
それが彼の父親でした。
元々はお医者さんだったそうですが
色々事情があって整体師をしていた人で、
スポーツをやっていた私は
その整体院に通うようになります。
そこで彼の父は様々な話をしてくれて
哲学の話だったり、健康の話だったり
私の知らないことをたくさん教えてもらいました。
私も普段は人に話さないような悩みを
施術中に話したりしていました。
そこで、彼の父に
「自分を本当に理解してくれる人がいない」
ということを打ち明けました。
すると彼の父は
「中村君は礼儀正しいし、息子の規範になってくれている」
というフォローをしてくれて
「いつか君を理解してくれる人が見つかる」
と言ってくれました。
その時に私は天命を受けたというか
本質を理解できた気がしました。
要するに、見つけるのは難しいけど
いつか現れるんだというゴールを設定できたのです。
重要なのは理解者が見つかることではなくて
それ以外の人たちとどう付き合うかで、
10,000人の内に1人が私を理解してくれるのなら
残りの9,999人はどうでもいい人ではなく、
仲良くなるために努力をしなくてはならない人なのだと
その時に気づきました。
理解してくれる人以外を嫌いになるのではなく、
嫌いな人をどうやったら好きになるのかを考え始めました。
結果的に今では初対面の人と話す方が話しやすく感じることがあるぐらいで
親友と話すときと初対面の人と話すときも
あまり心持が変わりません。
誰に対しても自分の持っているものを提供する意識が染みついたのです。
人生は誰かから言われた不意の一言で変わることもあります。
それを求めるのではなく
いつかその時が来るのです。
重要なのは、外部からの力でコントロールされるのではなく
コントロールできることを自分の中に持っておくことです。
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