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『攻殻機動隊 SAC_2045』シーズン2放送開始前に初見にもわかるように世界観を紹介する


われらは鏡をもて見るごとく、見るところ朧なり。されどかの時には顔をあわせて相見ん。今我が知るところ全からず、されど、かの時には我が知られたるごとく全く知るべし。

なんのこっちゃわからんが、

我々人間は神様が作り出した真実とまだ対面していない
霞がかかったようにボヤっとそれを見ている。
その時になれば、真実と対面する。
今のところ知らないことも多いと思うが
その時がくれば、あなたも真実を知るだろう。

みたいな感じだと思います。

これは『GHOST IN THE SHELL』で”人形使い”と呼ばれる存在が
作中で発したセリフなのだが、元ネタは聖書の1文らしい。

初めて攻殻機動隊という
今になってみれば30年も前から熱狂的なファンがいて
現在も新作が出続けているモンスター作品に出会ったのは、
小学校4年生の頃だったと記憶している。

母親がレンタルビデオ屋で借りてきた
劇場版攻殻機動隊『GHOST IN THE SHELL』を
一緒に観たのだが、

正直、当初は意味がわからなかったし、
グロテスクとも感じられる生々しさが目に突き刺さって
あまり良い印象はなかった。

私が見るアニメではないな、と直感したわけです。

時は過ぎ、高校生になってテレビアニメ版攻殻機動隊である
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』が完結したタイミングで
再度、攻殻作品に触れることになるのですが、
そこからはもう寝るのを忘れるぐらいにドハマりしてしまい、
No.1のアニメはなんだ、と聞かれたら
真っ先に「攻殻機動隊だ」と答えるまでに傾倒することになります。



攻殻機動隊には様々なシリーズがあり、大きく分けて
「漫画版」「劇場版」「TVアニメ版」
が存在する。
全ての作品が地続きにつながったストーリーというわけではなく、
同じ世界観、同じ主人公が登場するパラレル作品を総称して
「攻殻機動隊シリーズ」と呼んでいる。

また、攻殻機動隊の作中では
「義体化」「電脳化」「ゴースト」「ロボットとアンドロイドとサイボーグ」
など専門的で理解するのが難しそうなSF用語が出てくる。
あくまでも”サイエンス・フィクション”なので
現実の社会には馴染みのない言葉ばかりだが、
SFという性質上、現実でも用いられるものもある。

とりあえず、全ての攻殻作品で使われる
共通の専門用語を紹介して、
本記事では攻殻機動隊シリーズの最新作である
『攻殻機動隊 SAC_2045』について語りたい。


目次

専門用語集

・義体化
攻殻機動隊シリーズにおけるサイボーグ化技術。
必ずしも全身を義体化するのではなく、右手だけ義体化することもあったり
目が不自由になったので目を義体化するなんてことも可能。
主人公の草薙素子が所属する”公安9課”のメンバーも
全身を義体化しているのは草薙のみで、他のメンバーの
体の義体化率はバラバラである。
現実に用いられる義手、義足の技術が発達して機械によって
本物の自分の手足のように制御できるようになった技術とも言える。
しかし、完全に自分の手足のように動かすには慣れが必要で、
草薙素子は高精度に義体を使いこなせる世界でも有数の”義体使い”である。
作中では兵器として用いられることが多いが、
元々は医療用に開発された技術である。


・電脳化
人間の脳とコンピューターを掛け合わせたネットワーク技術。
スマホやPCを脳に組み込んだようなもの。
制御ソフトを導入した義体を動かすために必要な技術であり、
スマホやPCのように他の機器に無線および有線通信できるようになる。
通信機器としても用いられるし、バーコードリーダー、
論理演算ソフトとしても利用される。
現在我々が使っているネットワークに常時アクセスできる。
「攻殻機動隊S.A.C.」では電脳化した人間の脳が硬化してしまう病気が
作品の鍵として扱われている。


・ゴースト
自我、意識、心といった目に見えない自身に内包される霊的な魂の総称。
肉体とゴーストとを分けて考えたときに、自分が自分であると認識できるのは
ゴーストがあるからであり、外見や身体的特徴、技術、人間関係などは
自身を特定するための根拠にはなり得ない。
作中のような義体化による身体の整形と
電脳化によって記憶すら改ざんできる状況では、
ゴースト以外に自分を証明できるパーツがない。
「GHOST IN THE SHELL」では
草薙素子が自分は本当に自分なのかと葛藤する姿が描かれている。
交通事故で壊れてしまった義体を見て
「あの義体、わたしに似てなかった?」
と、同僚のバトーに問いかけるシーンがある。
ゴーストとは自分を信じるための根拠とも言える。


・ロボット
人の代わりに業務など作業をする機械。
人の形をしていることもあるが、業務用の機械は総じてロボットと呼ぶ。


・アンドロイド
人に似せて作られた機械。
ロボットとの差は何を目的に作られたかしかなく、
機械ではなくても人型の生命体もアンドロイドと呼ぶ。


・サイボーグ
生物と機会を融合させたもの。
攻殻機動隊に登場する人物たちの多くが義体化、電脳化をしたサイボーグである。
機械はサイボーグとは呼ばれず、生命体であることが条件となっている。



『攻殻機動隊 SAC_2045』の世界

題名に2045と書かれている通り2045年のお話。
そして”SAC”の文字通り、テレビアニメ版攻殻機動隊である
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の続編にあたる。

2045年というと、機械が人間の知能を超える(シンギュラリティ)
と予想されている年である。
今作にはそれを感じさせるような要素がいくつか登場する。

前作『攻殻機動隊S.A.C.』では主に日本の架空の都市、新浜県新浜市を舞台に
草薙素子が所属する公安9課が犯罪の芽を摘む活動をしていたのだが、
『SAC_2045』ではいきなりアメリカの荒野から物語が始まる。

前作の時点で第三次世界大戦と第四次非核大戦により
日本からは東京が無くなり、首都は福岡になっていたりと、
世界的にも混沌とした様相を呈していたのだが、
今作になってからはますます人々の貧困が目立つ。

というのも1話の冒頭でも出てくるキーワード
「世界同時デフォルト」によって世界経済が崩壊してしまったのが原因。
端的に言えば、アメリカの「1A48」というAIの暴走によってみんなの貯金口座が消滅した。

ある日突然、預金口座が0になってしまうという事件。
国も会社も個人も借金が0になったことで債権者が損をすることになったように思えるが、
アメリカもヨーロッパ諸国もまだまだ健在といった感じだし、
電子的な貨幣のやり取りもまだ続いてるし、経済は縮小しているのだろうが、
金持ちは相変わらず金持ちで、貧乏な人はちょっと元気になったような
一見すると何が悪いことだったのかわからない設定だが、

その影響で、3年前から始まっていたアメリカ、中国、ロシア、ヨーロッパ諸国の戦争
「サステナブル・ウォー(持続可能戦争)」という
社会や産業が発展し続けるための戦争がさらに激化することになります。

限られた資産を取り合う略奪ゲームに国も個人も参加することで、
生活を維持しようと躍起になっています。
金持ちが全員金持ちのままでいられたわけではなく、
同時デフォルトの影響が致命的だった人たちもいたのです。

金持ちは金持ちの集落を作り、その外には生活に困窮する人たちが住んでいる。
貧乏になってしまった人たちが金持ちの集落に向かってロケットを発射するのですが、
ロケットなんて金のかかりそうな物をどこから持ってきたのかと聞くと
親切な金持ちと呼ばれる人から貰ったと言います。

いったいその親切な金持ちがどういう理由で武力を提供したかはまだわかりませんが、
力こそが正義の時代になっている。
文明は発達しているがやってることは戦前と変わらないという変な世界観である。

武力が、個の力が猛威を振るう社会でさらにヤバい存在が現れます。
それが「ポスト・ヒューマン」と呼ばれる人間です。
はたして人間なのかどうかもわからないのですが、
攻殻機動隊といえば草薙素子の超人的な活躍がウリの作品でもあります。

前作『攻殻機動隊S.A.C.』においても上司である荒巻から
「エスパーよりも貴重な存在」と評されていました。
圧倒的な義体の操作技術に、高度なハッキング能力と
個人としては最強クラスの力を持っていたのですが、

シンギュラリティによって草薙素子という人間よりも
強い個体が生まれてきたということなのでしょうか、
ポスト・ヒューマンは人間という制約を無くしたような
神に等しい能力を持っています。

なんとそのポスト・ヒューマンがこの一連の事象に絡んでいるとのこと。
草薙素子率いる公安9課とポスト・ヒューマンとの戦いは
2022年5月にNetflixにて配信されるシーズン2で
おそらく完結するのでしょう。


まとめ

とりあえず『攻殻機動隊 SAC_2045』の世界観を
軽く説明してみたのですが、
まだわからないことと、不可解なことがあり過ぎて
私自身この物語がよくわかっていません。

作中で出てくる
「世界同時デフォルト」「サステナブル・ウォー」「ポスト・ヒューマン」
恐ろしい表現や悪いことのように思わせる演出がなされているものの、
意外と世界が健全な方向に向かうための序章だったりするのかもしれません。

特にポスト・ヒューマンは何を規範として行動しているのか見当もつきませんが
ただ単に世直しをしているという見方もできるかと思います。

こんなわけわからん世界を作り上げて、どう着地させるのか
シーズン2を楽しみにしております。

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